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いちいの木には毒がある?実の正しい食べ方は?体にいい?


 

いちいの木ってご存知ですか?

いちいは、濃い緑色の細くとんがった葉っぱに、赤くきれいな実がなる木で、神社や民家の垣根などによく使われています。

昔から親しまれている樹木である証拠に、「水松」「アララギ」などいろいろな呼び方があり、北海道では「オンコ」といえば多くの人が知っているでしょう。

 

このいちいの木ですが、実は命にかかわるほどの猛毒を持っているんです。

 

街路樹や庭木として私達の周りに普通に生えている、身近な植物に毒があることってけっこう多いのですが、怖いのはいちいの赤い実が「食べられる」ということ。

猛毒があると知らずに食べたことがある人もいらっしゃるのでは?

 

そこで、いちいが持っている毒のことや、果実の正しい食べ方についてまとめました。

また、毒は反対に薬にもなるってよくいわれますが、いちいが身体にいいのかどうかもきになりますね。

 

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いちいの木には毒がある?

いちいの木には毒

いちいの木は、葉や枝、樹の皮など全体に毒がある植物です。

例外は、赤く熟した実の、果肉の部分だけなのです。

 

特に気を付けなければならないのは、誤って食べた人の死亡例まである「種」です。

いちいの実は、赤い果肉が湯呑みたいな形になっていて、中から黒い種がのぞいているというなんとも可愛らしい姿。

 

しかし、この黒い種を飲み込んでしまったらたいへんなことになるのです。

たった4~5粒の種を食べただけで人が死んでしまう毒の量となります。

 

いちいの毒は「タキシン」というアルカロイドで、種を噛み砕くなどして致死量を口にしてしまうと、痙攣を起こし呼吸困難で死に至ります。

いちいの毒による中毒症状は、進行がとても早く、気付いたときにはもう手遅れということもあるそう。

 

いちいの毒のエピソードはとても古くからあり、古代ローマでカエサルが殺されたときの剣に塗られていたのがこの毒だとか。

アガサ・クリスティーの推理小説にも毒殺の手段として登場しています。

 

牛や馬などの家畜でも事故が起こっています。

身体が小さい動物は葉を食べただけでも中毒を起こすので、犬の散歩中など、ペットには十分気を付けてあげないといけませんね。

 

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いちいの木の実はどうやって食べる?

いちいの木の実

いちいの木は全体に毒を持っていますが、赤く熟した果肉の部分だけは食べることができます。

いちいの木の実は食感が柔らかく、少しヌメッとして、ほのかな甘味があります。

 

もちろん、種は猛毒ですから実をそのまま食べて種まで飲み込まないように注意してください。

ちなみに、種を噛み潰すと苦いそうです。

噛み砕かずに飲み込んだ種は、そのまま排泄されて影響がないこともありますが、中毒症状が出たら素早い処置が必要になりますので、急いで病院に行くことをおすすめします。

 

いちいの木の実を利用する方法としては、ホワイトリカーに漬けて果実酒にするというものがあります。

果実酒にする場合は、毒のある種まで一緒に漬けるので、傷がないかどうかをよく確かめないといけません。

 

イチイの果実酒の作り方

材料

  • イチイの実…2kg
  • ホワイトリカー(35度)…1.8リットル
  • レモン…3~4個

作り方

  1. 洗って水気を切ったイチイの実は、種に傷がないかどうかを選別する
  2. レモンは皮を剥いて輪切りにする
  3. ホワイトリカーに1と2を漬け込み、好みでグラニュー糖を入れる

※冷暗所に置き、3週間たったらレモンを取り出す
※2~3ヶ月のうちに漬けた実を取り出し、別容器に濾して保存する

半年以上寝かせて琥珀色になったものが飲み頃です。

甘みが足りないと感じたら、飲むときに蜂蜜を入れるといいでしょう。

 

果実酒のほかにジャムを作ることもできるようですが、美味しそうなレシピが見つかりませんでした。

いちいの実は色はきれいですが特に香りがあるわけではないので、ジャムには向いていないのかもしれません。

 

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いちいの木の実は体にいい?どんな効果がある?

いちいの木の実は体にいい

いちいは、昔から薬効があるとされ民間薬として利用されてきた歴史があるようです。

もちろん毒があるのですから現在ではすすめられませんが、民間療法では葉を煎じて糖尿病や婦人系の病気のほかさまざまに使ってきたといいます。

 

さきほど作り方を紹介したイチイ酒にも、咳や痰をしずめるために飲まれたそうですし、効果の高い市販薬などがない時代には重宝されたのでしょうね。

 

ところがいちいの薬効は古い時代のものというわけではないんですね。

今では世界中でもっと研究がすすんで、いちいを原料にした抗がん剤が作られているんです。

 

アメリカやヨーロッパのイチイから「タキソール」という成分が発見され、一時はイチイの木の過剰伐採が問題になったほどだったといいます。

今ではタキソールは科学的に作ることもできるようになり、世界中で最もよく使われる抗がん剤となっているそうです。

 

タキソールは日本でも胃がんや乳がんなどの治療に使われています。

 

まとめ

古くから日本人に親しみのある樹木「いちい」について、その毒や利用法をご紹介しました。

 

昔は民間薬として利用され、現代では抗がん剤の発見に役立ったいちいの木。

秋になると可愛らしい赤い実をつけ、熟した果肉はほんのり甘くて食べられます。

 

ですが、いちいの木は全体に毒を持つ植物で、果実の中にある黒い種はたったの4~5個で人が死んでしまうかもしれないほどの猛毒です。

うっかり悲しい事故を起こさないよう、子供やペットには十分注意してあげてくださいね。