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「お大事に」と言われたときの返し方

 

「お大事に」――寒さ深まるこの時期、あちこちからこんな声が聞こえてきますね。

相手の心遣いがとても嬉しかったのに、うまく返事ができずどぎまぎしてしまった……なんて経験はありませんか?

「お大事に」とは健康を気遣ういたわりの言葉。

それだけに、きちんと気持ちのいい言葉で応えたい。

 

ところが咄嗟に出てこないんですよね。

そういう私も、ちゃんと覚えておこう!とは思いつつ、むずかしそうな敬語の解説や豊富すぎて覚えられない例文にくらくらしてきます。

そこで今回は、(自分のためにも)丸暗記でいけるぐらい気楽な記事を目指しました。

  • ビジネスシーンでの返し方と使い方
  • 友達に言われたときの返し方

をシンプルに学んでいきますので、一緒に覚えてさらりと使いこなしちゃいましょう!

ビジネスシーンでお大事にと言われたときの返事は?

日常会話はもちろん、ビジネスシーンでもよく使われる「お大事に」のフレーズ。

社会人として覚えておくと便利なので、詳しく見ていきましょう。

①ビジネスシーンでの返し方

まずはしっかり相手の目を見て、感謝の気持ちを伝えます。

「ありがとうございます」

「お気遣いありがとうございます」

ひとくちにビジネスと言っても、スーツ姿で名刺を交換する会社から、お客様とはつらつと軽口をきき合う地域密着の小売店まで様々ありますね。

そこは一定の礼儀を保ちつつ、会社の雰囲気に合わせて使い分けましょう。

例えば活気のある八百屋さんなんかでは、「安いよ安いよ~ゴホッ」「あら風邪?お大事にね」「どうもありがとうございます!」なんてくらい軽やかな方が親しみが持てます。

②ありがとうの後は?

返し方については早くもクリアできました。

でも会話が続かない……

そんなときは、自分がどうしたいのかを素直に伝えてみましょう。

 

「ありがとうございます。お言葉に甘えて、少し休ませていただきます」

「お気遣いありがとうございます。ご迷惑をおかけしますが、不在中はよろしくお願いいたします」

 

そうすると、相手も安心してあなたを送り出すことができます。

ビジネスシーンではつい身構えてしまいますが、肩の力を抜いて考えてみてくださいね。

ビジネスシーンでのお大事にの使い方とマナーは?

意外と簡単だった返し方。

となると次は、自分がしてもらったように、誰かに声をかけてあげたくなりますね。

でも「お大事に」って目上の人にも使える?言い慣れてないけどちゃんと言えるかな?

そんな不安もここで解決していきましょう。

①お大事にの使い方

ビジネスシーンでの使い方がこちら。

「お大事にしてください」

どうでしょうか?これなら、慣れていなくてもスムーズに口にできそうですよね。

 

日本語とはむずかしいもので、あまり丁寧にしすぎても、「慇懃無礼」という名のトラップを踏んでしまうことがあります。

『丁寧』と『くどい』は紙一重なのですね。

信頼関係のある上司や先輩になら、これくらいのさじ加減が喜ばれそうです。

②敬意を払うときの使い方

ではかしこまった場面ではどう言うのか?それはこちらがベストです。

 

「お大事になさってください」

 

例文はこんな感じ。

 

「お風邪を召されたと聞きました。ご無理なさらず、お大事になさってください」

 

ビジネスシーンでのポイントは、文章としてきちんと完結させることです。

というのも「お大事に」という言葉は本来、「お身体をお大事にしてゆっくり休んでください」「大事にいたらないようゆっくりお休みください」といった形で使われるもの。

つまり略語なんですね。

 

目上の人に向かって、「おじいさんが山に芝刈りに~、はいおしまい」とは言えませんよね。

今のは極端な例ですが、立場が上の人や、年配の人の中には、略語をいい加減だと感じる人もいます。

目上の人とはなるべくきちんと文章を完結させてお話すると、印象アップにつながりますよ。

お大事にはメールでも使える?

インターネット社会の現代、メールで仕事のやり取りをする機会も増えました。

顔が見えないからこそ、文面には気をくばりたいもの。

 

「お大事に」はメールでも印象の良いフレーズなので、さりげなく添えてみましょう。

文字だとそっけなくなりがちなので、メールの場合は特に、文章として完結しているか気をつけてみてくださいね。

<言い換え表現>

元気な相手に気遣いを示したい。

そんなときは、「ご自愛ください」と言い換えてみましょう。

 

「年末の忙しい時期ですので、どうぞご自愛ください」

 

こんな言葉を文末に添えると、スマートにやり取りをしめることができます。

友達にお大事にと言われたらなんて答える?

いつも一緒にはしゃいでいる友達にふと気遣われると、嬉しいものです。

だけど気安いだけに逆にうまく返せなかったりして。

そんなときは、とびきりストレートに

 

「ありがとう」

 

でOK!

相手は友達、体調のすぐれないときに、ビジネスシーンのように気を張ることはありません。

気遣ってもらって嬉しかったことや、治ったら一緒に何がしたいのかを素直に伝えましょう。

 

「ありがとう。頑張って早く治すね」

「ありがとう。元気になったらまた美味しいものを食べに行こうね」

 

友達もきっと楽しみに待っていてくれるはず。

 

まとめ

お大事にの使い方を整理すると、

  • ビジネスシーンでも日常会話でも返事は「ありがとうございます」
  • 声をかける場合は「お大事にしてください」「お大事になさってください」
  • 目上の人やメールでは文章を完結させると印象アップ
  • 友達に言われたら「ありがとう」でOK

となります。

 

意外とシンプルでしたね!これなら私でも覚えられそうです。

 

またどんなシーンでも、大切なのは全身で感謝や気遣いを表現することです。

どんなに完璧な敬語でも、人間味がなくては伝わりません。

どうすれば気持ちが伝わるかを一番に考えて、表情や声のトーンにも気をくばりましょう。

 

「お大事に」は人間関係の潤滑油。

言う人も、言われた人も、温かい気持ちになれる素敵な言葉です。

 

あなたもぜひ、「お大事に」をマスターして気くばり上手を目指してみてくださいね。