カラスと犬、どちらも人間と多くの接点を持つ動物ですね。
どちらの動物も一日に一回や二回、必ず目にする動物ではないでしょうか?
人間に従順になることにより人間社会で生きている犬と、人間社会に顔を出しつつもあえて野生のままを貫くカラス、どちらも賢いといえますね!
生活の中で多く目にするカラスと犬ですが、どちらのほうが高い知能を持つのか、調べてみました。
Contents
頭がいいのは犬?カラス?
知能レベルの指標の一つに、脳化指数というものがあります。
脳化指数とは、脳の重量を体重の三分の二乗で割った値に係数をかけた数値で、体重に占める脳の比率を指します。
ウィキベディアの脳化指数のページでは、カラスの脳化指数は1.25に対して、犬の脳化指数は1.2と記載されています。
脳化指数ではカラスの方が犬より知能が高いことになりますね。
脳化指数ではカラスに劣るものの、犬は頭のいい動物として知られていますね。
犬が賢い、頭がいい、と認識されるのは人間への従順性からです。
人の指示の通り行動したり、感情に寄り添った行動をするため、犬は古くから人間と共生してきました。
盲導犬、警察犬など、犬はその優れた能力を活かして人の生活の役に立ってくれています。
カラスはとても高い知能を持っている!
カラスが賢い生き物だということは知られていますが、その知能の高さに注目が集まっています。
ニワトリの脳化指数は0.25ですから、カラスの1.25という数値を見ても同じ鳥類として抜群の賢さです!
カラスの脳は、他の鳥類の脳と異なった構造をしています。
動物神経解剖学によると、脳神経細胞数はニワトリの約6倍の密度で、鳥類でも傑出しています。
なんと、カラスの脳の平均脳重量である10gにある神経細胞は、人間の脳にある神経細胞の150億倍以上になることが分かっています。
慶応大学の研究チームによると、カラスの脳は、思考や学習、感情をつかさどる大脳が大きく、知的活動に関係する巣外套や高外套がより発達していることが判明しました。
記憶力抜群!
注目されているのはカラスの記憶力です。
野生のカラスは、自分で隠した食料の場所を100カ所以上も記憶しているそうです。
鳥類の脳は、成鳥になっても新たなニューロンを作り出すので、記憶力が衰える事も、ボケる事もありません。
道具を作ることができる
カラスの行動の研究では、カラスは餌を取るために自分で道具を作って使用することが分かっています。
針金を曲げて筒の中の餌を取り出すなど、人間以外の動物ではチンパンジーやオラウータンなどにしか見られない行動すら出来る事が確認されています。
カラスは社会性を備えている?
カラスは社会性を持ち、集団生活をします。
地域のゴミをカラスに荒らされて困る、という話はよく聞きますよね。
カラスがゴミを漁る時には、ゴミネットを持ち上げる役、中のゴミを引っ張りだす役など、協力し合っているんですよ!
えさ場だけでなく、危険物や敵を他のカラスに伝えたりと、他のカラスから学習することさえできます。
前年に生まれた兄弟も手伝いながら子育てをするなど、脳の構造こそ違えどほ乳類のような行動を取る事もあります。
また、餌などをめぐって喧嘩になった後、仲直りをすることも研究により明らかになりました。
仲直りの方法も、攻撃した方のカラスが被害者のカラスを見つけ出して羽を繕うなどして「謝罪」するという、なんとも心温まる方法を取ります。
カラスは思考能力が高い!
さらに、三段論法という、人間では7歳頃からできるようになる思考を、カラスはできるとカラスの脳研究に詳しい宇都宮大学の杉田昭栄教授は言っています。
カラスについての著書も出している杉田教授によると、知能を有する動物が心を満たす目的で行う「遊び」をカラスが好むことが分かっています。
滑り台で遊んだり、犬や猫にちょっかいをだしたり、ボールを追いかけたりと、子供の様にはしゃぐ姿も動画サイトなどでも見る事ができます。
論理的な思考をすることもでき、さらに「遊ぶ」行動を取る事でも知られるカラス、少し身近に感じたのではないでしょうか?
知能の高い犬種は?
様々な諸説がありますが、知能の高い犬種としてよく知られているのはボーダーコリーです。
イギリス原産とされていますが、祖先は北欧でトナカイの牧畜に携わっていたと考えられています。
牧羊犬として長い歴史を持つ犬種であるボーダーコリーはなんと命令の98%に従うことができます。
山岳地帯での牧羊に携わっていた歴史からか、運動能力と命令に従うのみだけでなく、自己判断での危機回避の能力も備わっています。
中型犬や大型犬には賢い、知能が高いとして知られる犬種が多くいますが、知能の高さで2位に選ばれたのはプードルです。
プードルは警察犬としても採用され、犬の中でも人間への忠誠心が高い事で知られています。
凶暴として知られているアメリカン・ピッド・ブル・テリアも、実は賢く物覚えがよい犬種です。
闘犬として編み出された犬種ではあるものの、その知能の高さから、しっかりしつけをしたピッドブルは無駄吠えやイタズラをすることのない家庭的な犬種です。
頭がいい動物トップ5は?
頭がいい動物のランキングが掲載されたサイトは多数あり、基準が違う為か掲載動物にかなりのばらつきが見られました。
ここではいくつかのサイトを参考にして掲載が多い順であったトップ5をご紹介いたします。
1.オラウータン
森林伐採などにより絶滅危惧種に指定されているオラウータンは、多くのサイトで頭がいい動物ランキングの1位を獲得していました!
オラウータンは森の賢者、森の番人などとも呼ばれています。
インドネシアの民話によれば、人が喧嘩をしているのを見て呆れた森の賢者達は言葉を使うのを止めたのだとか。
社会性もあり、喜怒哀楽などの感情も表す、まさに「言葉を使わない」人間のような生活を送っています。
2.イルカ
イルカの知能の高さは折々話題に上りますね。
音で交信しているとされるイルカですが、なんと一頭ずつ名前があり、それで呼び合っているという研究者もいます。
イルカの知能は低いのではないか?という説も最近ありますが、脳の大きさの比率は霊長類のそれと同じです。
集団生活や他の生物を助ける等、様々な行動から見ると知能の高い動物2位ランクインは納得のいくものですね!
3.チンパンジー
ある研究によると、記憶テストの結果でチンパンジーの記憶力は人間の記憶力よりも優れている事が分かりました。
様々な道具を使用するだけでなく、道具を作ったりもすることで知られています。
また、子育て期間が約4年と長く、その間兄弟が子育てを手伝うなど、家族や群れ同士の絆が強い事でも知られています。
些細な事から喧嘩に発展したあげく、最終的には両者の母同士の喧嘩になったりと、人間のような行動をとることもあるんですよ!
4.象
象が4位というの意外でした!
タイにて何度も象にふれあう機会があった私は、てっきり象が1位にランクインしていると思っていました。
象が一度あった人間を忘れないというのは有名な話ですね!
私は、以前、タイ北部にて象に乗ってジャングルに行くコースを頼んだところ、象使いのおじさんが私の乗っている象に「1時間いっておいで」と話しかけ、象は私を乗せて川で水浴びをしたり散歩をして一時間丁度でおじさんのいる場所に戻って行った事がありました。
まさか象と二人きりで送り出されるとは思っておらず、ちょっと驚きましたが、時計もないのに時間ぴったりのコースを楽しそうに散策していたので、高い知性だけでなく時間感覚も優れているのだと感じました!
5.カラス
カラスの知能の高さは上記した通りです。
身近にいる動物で堂々の5位ランクインをしたカラス、農家や町でカラス対策が練られていますが、なかなか解決しないのはカラスの知能が高いからなんですね!
そして犬は第13位にランクインしていました。
長い間、人間と生活してきた犬が13位というのはなんだか納得がいかないですね。
頭のいい動物と人間の言う事を聞く動物、とは別物であるからこういう結果になった、とあるサイトでは擁護されていました。
確かに知能が高くても、自主性も高いチンパンジーやオラウータンと一緒に暮らすことはなかなかできませんね。
(参照:https://www.ranker.com/list/the-15-smartest-animals-on-earth/analise.dubner)
まとめ
犬とカラスだと、カラスのほうが知能が高いという結果でした。
カラスより下のランクであっても、犬も負けず劣らず知能の高い動物です。
しかし、その知能を延ばすには飼い主との二人三脚が不可欠です。
頭のいい犬種だから、と選んでもしっかり向合って共に生活をしないといけないんですね!
ゴミを荒らすカラスに挨拶をするようにしたらゴミを荒らさなくなった、イタズラで石を投げたら毎朝威嚇されるようになった、など、カラスの社交性や記憶力は侮れないものがあります。
もともと野生だったカラスが町で生きていけるようになれたのも、その知能や順応性の高さからなのでしょう。
害鳥として決して好かれているわけではないカラスですが、その性格や能力、知能を考えると将来人間のよきパートナーになることがあるかもしれませんね!
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