よく電気がショートして火事になるとか、危ないとか聞きますよね。
でもこのショートってなんとなくはわかるけど正確な意味はわからないって人も多いんじゃないでしょうか?
今回はショートの意味を小学生でも3分でわかるくらい簡単に説明したいと思います。
Contents
電気のショートの意味は?
まずショートとは、英語だとショート・サーキット(short circuit)の略で、日本だと短絡とです。
ショートの意味を説明する前にまず前提知識として、電流の仕組みから説明します。
電流の仕組み
普通の電気回路は電線が使われてますが、電線には必ず抵抗がついてます。
抵抗は電流を調節するためのもので抵抗が大きいほど流れる電流が小さくなります。
中学生の理科で「オームの法則」というのを習ったことを覚えてる人はいますか?
オームの法則は
電流=電圧/抵抗
です。
例えば日本の家庭の電気の電圧は100Vですが、電流は1Aだったとしたらそれは抵抗が100Ωあるからということになります。
1(A) = 100(V)/100(Ω)
電化製品によって大きな電流を必要とするもの、小さな電流でいいものありますが、それらがすべて同じコンセントから流れてくる電気で使えるのは各電化製品に抵抗が付いていて電流の大きさが調整されてるからです。
ショートは抵抗なしでそのまま電流が流れること
で、ショートというのは電気の流れのどこかで断線や漏電が発生することにより、この抵抗がない状態、もしくは抵抗がすごく小さい状態で電流が流れることです。
たとえば車のバッテリーのプラスとマイナスを直接つなぐとショートが発生し、過電流が流れて火花が飛んだり、バッテリーが爆発して壊れたりします。
車のバッテリーは本来車につなぐものでバッテリーのプラスとマイナスを直接つなぐものではありませんからね。
乾電池の場合も同じで、電池のプラスとマイナスを金属線などで直接つなぐとショートが起きて火花が飛んだりして危険です。
金属線にもわずかな抵抗がありますが、乾電池のショートによる過電流に耐え切れず、高温になり、焼け焦げてしまいます。
ちなみに電池同士を接触させるだけでもショートが起きることがあります。
これ怖いですね。
例えば電池を縦につないで入れるタイプの電化製品がありますが、間違えて乾電池のプラスとマイナスくっつけちゃうとショートが起きて電池同士で抵抗なしの状態で大電流が流れちゃう可能性があります。
実際、これが原因である家電量販店で使用済み乾電池の回収箱から火災が発生した事故も起きています。
ショートをオームの法則で理解するとわかりやすい
このショートという現象をオームの法則で説明すると
抵抗が100Ωのとき
電流=100/100=1A
抵抗が10Ωのとき
電流=100/10=10A
抵抗が1Ωのとき
電流=100/1=100A
抵抗が0.1Ωのとき
電流=100/0.1=1000A
抵抗が0.01Ωのとき
電流=100/0.01=10000A
100Aの電流でもかなり危険なので抵抗が1Ωより小さい状況で100Vくらいの電圧がかかると火災の原因になります。
ちなみに電線によくある銅線の抵抗は銅線の長さや太さによりますが0.01Ωくらい。
なので電気を何の抵抗も設置されてない状況で単なる金属の導線だけに流してしまう=ショートは危険ということですね。
一般家庭でよくあるショートが原因の火災
ショートは車のバッテリー交換を素人がやるときに起きることが多いですが、一般家庭でも起きることがあります。
では一般家庭ではショートはどういうときに起きるのでしょうか?
トラッキング現象
トラッキング現象というのは最近よく聞く言葉ですが、これがまさにショートが起きるいい例です。
トラッキング現象とは
- コンセントに差しっぱなしのプラグにホコリが溜まる
- ホコリに湿気などで水分が付着する
- ホコリに電流が流れる
- コンセントに差したプラグの金属の差し刃同士がショートして電流が流れる
- ホコリが電流で加熱され、発火して火災が発生する
ということです。
これが寝てる時や外出中に起きることもあり、その場合はすでに手遅れで火事で家が全焼してしまう可能性もあるという、非常に怖い現象です。
コンセントにホコリが溜まるのはどの家庭でもあることなので気を付けてください。
特にキッチン付近のコンセントは湿気が溜まりやすいので気を付けましょう。
電気コードの劣化や断線によるショート
次によくあるのは電気コードの劣化や断線です。
電気コードの中には銅線が入ってますが、子の銅線は1本ではありません。
数十本の細い銅線を束ねて1本にした銅線が2本入っており、それぞれの線を絶縁性能のあるビニールで覆ってます。
電気コードが断線したり、劣化により電気コードのビニール被膜が破けたりすると中の2本の銅線同士が接触してショートが起きることがあります。
すると過電流が流れて銅線を覆ってるビニール被膜が発熱して焼け焦げ、火災につながります。
これは電気コードの上に重いものを置いていたり、よく足を引っかけて電気コードに強い負荷をかけることなどを繰り返していると起きやすいです。
私も一度こたつの電気コードが傷んだまま使ってたら焦げていたことがあります。
タコ足配線で電気コードを束ねて使用することで電線が発熱して発火
電気コードや延長コードをを束ねたまま使用するのはありがちな事例だと思います。
しかし電気コードを束ねたまま使用するとコードが下り曲がった部分に負荷がかかりやすく、発熱により中の絶縁ビニール被膜が焼けてショートして発火し、火災事故に至ることがあります。
特にタコ足配線で起こりがちな事故です。
コードが長い場合は束ねたままではなく、くるくる丸めてテープなどで止めておくといいです。
折り曲げると負荷がかかりますが丸めれば負荷はあまりかかりません。
あとは延長コードでタコ足配線を使用する場合はなるべく小さい電流を使うものだけにするといいです。
たとえば私のタコ足配線は
- パソコン
- モニター
- ポケットWiFi
という小さな電流しか使わないものだけをつないでいます。
そして大きな電流を必要とするドライヤーはコンセントに直接つないで使ってます。
タコ足配線する場合はこんな感じにすれば事故は起きにくいです。
ちなみに高い電流を使う製品は
- 電子レンジ・・・15A
- オーブン・卓上IHクッキングヒーター・・・14A
- アイロン・・・14A
- IHジャー炊飯器・・・13A
- ドライヤー強・・・12A
- 掃除機強・・・10A
- 電気ケトル・・・10A
- 電気カーペット・・・8A
- こたつ・・・5A
などです。
電子レンジのアース線用コンセントがない!つけなくても大丈夫?
まとめ
以上、電気のショートとは何かについて説明しました。
復習するとショートとは
抵抗なし、もしくはかなり小さい抵抗の状態で電気が流れること
です。
抵抗が小さいとオームの法則により大電流が流れることになるため、ショートが起きるとそこから発火して火事の原因になります。
ショートによる事故は
- 車のバッテリー交換時のつなぎ間違え
- コンセントのホコリによるトラッキング現象
- 電源コードの断線や劣化によるショート
- タコ足配線で電気コードを束ねて使用することでコードが発熱してショートして発火
などがあります。
ショートの危険を理解できたでしょうか?
理解できた方はコンセントやタコ足配線をチェックして事故を起こさないように対策しておきましょう。
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