さまざまな幸福を与えてくれる七福神の縁起物の飾りを掃除しているうちにばらしてしまった!
普段見慣れていると思っても、バラバラにみると並び順がどうだったかなかなか思い出せませんよね。
インド、中国、日本出身の神々からなる七福神です。
優先順位はどうなるのか、並び順によってご利益も変わります。
今回は、七福神の並び順や7柱のご利益や由来なども合わせて調べてまとめました。
Contents
七福神の並び順に決まりはある?
一般的な七福神は、一列の場合には加盟順である恵比寿・大黒天・弁財天・毘沙門天・布袋尊・福禄寿・寿老人の順に並べられています。
しかし、七福神の並び順には絶対的な決まりはありません。
それでは、七福神の並び順はなにを基準に決めたら良いのでしょうか?
七福神の並べ順には、「神様が加わった順」という説と「祈願のご利益を持っている神様順」という説があります。
七福神である七柱はそれぞれ異なったご利益をもたらす神様です。
自分の求めるご利益の神様を向かって左から順に並べます。
「右に出る者はいない」という言葉通り、一番左に置いた神様の右手側にはなにも置かない様にしましょう!
多くの宝物を積み込んで船に乗ってやってくる七福神は、船上に乗ったモチーフや絵画も人気があります。
縁起ものの置物としても人気がありますね。
この時の並び順も前から順に祈願内容と照らし合わせて並べましょう。
七福神になったことのある神々
現在はメンバーに落ち着きをみせたものの、七福神が構成されるまで何度か神々の入れ替わりがありました。
例えば紅一点である女神は、天細女命(あめのうずめのみこと)であったのが、人気の高かった弁財天に入れ替わって現在に至ります。
寿老人の変わりに吉祥天や猩猩が一柱(神様はを数える時の単位は柱です)として数えられていたこともありました。
福禄寿はもともと一人の仙人だったものを、七福神にするために福禄と寿を分けて無理やり二柱に分けたという説もあります。
七福神、その姿、持ち物と御利益は?
七福神の並べ方は祈願順でも良いと述べました。
それでは、七福神の一柱ずつそのご利益や由来、出身国などを解説していきます。
恵比寿天(えびすてん)
![恵比寿天](https://i1.wp.com/info-sea.com/wp-content/uploads/2018/05/ebisu.jpg?resize=387%2C437&ssl=1)
商売繁盛、除災招福、五穀豊穣、大魚守護の神様、などのご利益がある七福神唯一の日本の神様。
恵比寿(蛭子夷三郎、夷神ともいう)は、イザナギ、イザナミの神の間にできた第三子です。
様相
風折帽子に狩衣
持ち物
左脇に大鯛を抱え、右手に釣り竿
釣竿は「釣りして網せず」すなわち暴利をむさぼらない、清い心を象徴しています。
恵比寿天のご詠歌
釣り上げし 魚(うお)を宝と抱きしめて 笑う恵比寿の 神の御威徳(ごいとく)
人間の七幅のうちの「清廉、正直」であるとされます。
大黒天(だいこくてん)
![大黒天](https://i2.wp.com/info-sea.com/wp-content/uploads/2018/05/daikokuten.jpg?resize=415%2C425&ssl=1)
五穀豊穣、子孫愛育、出世開運、商売繁盛のご利益があるインドのシヴァ神です。
シヴァ神と大国主命が神仏習合され、仏教の天部に属する仏教の守護神でもあります。
大黒天は食べ物や財宝、幸福をつかさどる神です。
様相
頭に頭巾、体に狩衣、福耳
持ち物
左肩に袋、右手に福槌、米俵の上に立つ(座る姿もある。)
頭巾は「上を見ない」という謙虚さを表します。
二つの米俵は「二表で満足をする」という、欲張らない清廉な心を示しています。
打ち出の小槌の「槌」は「土」、様々なものを生み出す「大地」を意味するのだと言われています。
大黒天のご詠歌
打つ槌(つい)に 宝の雨をふらしつつ 無福の民を 救う御神(おんかみ)
人間の七幅のうちの「有福」であるとされます。
弁財天(べんざいてん)
![弁財天](https://i0.wp.com/info-sea.com/wp-content/uploads/2018/05/benzaiten.jpg?resize=394%2C447&ssl=1)
恋愛成就、学徳成就、諸芸上達、福徳施与のご利益がある古代インド河のサラスヴァティーという神様です。
日本では芸術(芸能)・知恵・福徳・財運・弁舌・商売・家内和合の神様として知られています。
七福神の中で唯一の女性神です。
様相
天女の姿、由来であるインド神のサラスヴァティは武装している。
持ち物
琵琶、由来であるインド神のサラスヴァティはヘビを従えている。
水の神さまであるところから、河の音が音楽を奏でるようだと琵琶を弾く姿で表されます。
弁財天のご詠歌
ひく琵琶の 妙(みょう)なる音(ね)にも似たるかな 福を喜ぶ 諸人(もろびと)の声
人間の七幅のうちの「愛敬」であるとされます。
毘沙門天(びしゃもんてん)
![毘沙門天](https://i2.wp.com/info-sea.com/wp-content/uploads/2018/05/bisyamonten.jpg?resize=337%2C477&ssl=1)
武道成就、降魔厄除、家内安全、夫婦和合、福徳増進のご利益がある古代インドのクベーラという神様です。
クベーラ神が仏教に取り入れられ、別名であるヴァイシュラヴァナ神が翻訳されて毘沙門天と呼ばれる様になりました。
古代インド神話に登場するクベーラ神は財宝福徳を司る神様です。
日本では鎮護国家の神であり、智恵と勇気の守り神でもあり、福を与えてくれると言われています。
戦いの神である毘沙門天は、悪霊を退散させ財宝を授けてくれると言われています。
毘沙門天は、仏教四天王の一仏で多聞天とも呼ばれます。
様相
甲冑に身を包んで厳しい顔
持ち物
右手に槍、左手に宝塔
毘沙門天のご詠歌
魔を降す 猛き姿にひきかえて 情(なさ)けにあまる 福徳の神
人間の七幅のうちの「威光」であるとされます。
布袋尊(ほていそん)
![布袋尊](https://i0.wp.com/info-sea.com/wp-content/uploads/2018/05/hoteison.jpg?resize=374%2C388&ssl=1)
千客万来、家運隆盛、家庭円満、商売繁盛、開運や良縁、子宝などにご利益のある中国に実在したと言われている禅僧です。
布袋尊は唐時代に実在した禅僧です。
長丁子と号した唐代末期の禅僧・契此をはじめ、宋の僧了明、棗陽の張氏の男の四人が布袋和尚として伝えられています。
「泣いて暮らすも一生。笑って暮らすも一生。同じ暮らすなら笑って暮らせ」という楽天的な考えの持ち主でした。
現在も、中国には布袋を本尊に祀る寺院が多くあります。
各寺院では不良長寿・無病息災・開運・良縁・子宝・夫婦円満・金運の神と言われています。
様相
巨大な太鼓腹に、体躯は肥って背低く、いつも半裸
持ち物
杖と大きな布の袋
布袋尊のご詠歌
限りなき 宝の布袋みてはげめ 笑う門には 福来(ふくきた)るなり
人間の七幅のうちの「大量」であるとされます。
寿老人(じゅろうじん)
![寿老人](https://i0.wp.com/info-sea.com/wp-content/uploads/2018/05/juryounin.jpg?resize=371%2C440&ssl=1)
幸福長寿、家庭円満、延命長寿、福徳智慧などにご利益のある、中国の聖人学者だった老子が天に昇って星になったという道教の思想から発想された神様です。
南半球に属する星のため、日本では知られていませんが、中国では「寿星」もしくは「南極老人星」(カノーブス)と呼ばれています。
寿老人は「皇帝の寿命を支配する星」と考えられていたこの星を人格化したのが寿老人です。
様相
背は低く長いひげ、長寿を象徴する従者の玄鹿(牡鹿)を伴う
持ち物
巻物をくくりつけた杖、うちわ
うちわには「難」を払うと言われています。
鹿を従えているのは、「鹿」と「禄」が同音であるところから「福禄の神さま」であることを表していると言われています。
寿老人のご詠歌
玄鹿(くろしか)の 命長きにあやかれと 杖を引きつつ 世を救う神
人間の七幅のうちの「長寿」であるとされます。
福禄寿(ふくろくじゅ)
![福禄寿](https://i1.wp.com/info-sea.com/wp-content/uploads/2018/05/hukurokuju.jpg?resize=322%2C451&ssl=1)
財運招福、延命長寿、立身出世、招徳人望のご利益がある、中国の道教の長寿神です。
千歳を越える仙人で、幸福、福徳、財宝、人徳、長寿をつかさどる神様だと言われています。
寿老人と同じく、「南極老人星」(カノーブス)の化身であると言われています。
道教の理想とされる福(幸福や子孫)、禄(身分や金銭)、寿(寿命)の三つの特を具備する、人徳をもった神様です。
様相
頭が異様に長い、豊かな白髭、背の低い老人、鶴を従えている
持ち物
左手に宝珠、右手に巻物をくくりつけた杖
福禄寿のご詠歌
仰(あお)ぎ見る その御頭(みかしら)の長きごと 延寿の徳を 与えまします
人間の七幅のうちの「人望」であるとされます。
七福神の由来は?なぜ世界の神様が同じ船に乗ってるの?
![七福神の船](https://i1.wp.com/info-sea.com/wp-content/uploads/2018/05/sichihukujin2.jpg?resize=640%2C592&ssl=1)
七福神は、日本、インド、中国の神々や仙人が入り交じって形成されている、他の国では見られない神仏習合的な日本の信仰対象です。
七福神は、七神がもともと祀られていたのではありませんでした。
天台宗の開祖である最澄が、大黒天を祀りはじめたのが発端となったようです。
恵比寿信仰は日本古来より行われていました。
その後、大黒天と七福神で唯一日本の神様である恵比寿がセットになりました。
そこへ当時人気のあった神々である弁財天・毘沙門天・布袋尊が次々と加えられ、五福神となりました。
そして時代とともに、元来神様ではなかった福禄寿・寿老人が足されて現在の七福神のメンバーが揃いました。
信仰対象が増えて、三福神であったり、五福神であったのが現在の七福神の形に落ち着いたのは江戸中期頃でした。
江戸幕府の初代大将であった徳川家康が七福神信仰を推奨したため、盛んに七福神を祀る仏閣も建立されました。
島国である日本は物事が船にのってやってくることが多々ありました。
福の神が船にのってやってくる、という考え方も日本独特のものですね!
13世紀頃に、当時の天皇が夢に見て書かせたという宝船は、当初米俵を乗せたものでした。
時代とともに珍宝や縁起物が描かれる様になり、七福神の人気が高まっていた江戸の中期頃に七福神も宝船に乗って描かれる様になりました。
宝船の帆に「獏」と書かれている場合がありますが、枕の下に敷いて眠ると悪夢を食べてくれる効果もあると言われています。
まとめ
七福神には決まった並び順はありません。
縁起ものである七福神は、清潔に保ちたいですよね。
片付けをしているうちにもとの並び順が分からなくなってしまった!というときは、自分の願いごとを再確認する良いきっかけかも知れません。
横一列にならない、宝船に乗せる時にはじっくり自分の願望と向合って検討してみましょう。
宝船の図に書いてある回文、「なかきよの とをのねふりの みなめさめ なみのりふねの おとのよきかな」(長き世の 遠の眠りの 皆目覚め 波乗り舟の音の良きかな」を読み上げると福が来て祈願成就すると言われています!
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![行事](https://i0.wp.com/info-sea.com/wp-content/uploads/2019/04/1aa3165ea6792a2afae5de371c3d1e0c.jpg?resize=500%2C400&ssl=1)
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